日本英文学会(2)

 発表された内容から私が受け取ったメッセージは、「文学的アプローチ」とは、文学作品を読ませることではなく、あらゆる素材を使って多角的に読む訓練または体験をすること、だと思いました。実際に短く刈られた英文を使って授業をしていると、おかしなところが多々あります。それをそのまま素通りするか、立ち止まって見直してみるか、で読みの深さが変わります。これまで私は「ちょっと展開が急だよね」と言うだけで、良い意味での深入りをしていませんでした。生徒にもう少し振ってみてもよかったかもしれません。そういった持続的な問いかけが、やがて生徒が自力で考えるきっかけになることを教えてもらいました。



他に感じたことを短く。

・「文学」なんてこのレベルの生徒には必要ない、なんておこがましい考えだよね。


・すぐにでも使える「実践例」が欲しいという気持ちもあったけど、もがいて自分なりのやり方を見つける過程が楽しいし、自分にあったものを作れるような気がする。うまくいかなくて凹みそうだけど。


・いわゆる「文学出身」の私は、英文を深く読み込んでいろいろと発見する過程の楽しさを知っている。授業で取り入れて生徒も「おもしろい」と思ってくれる授業をやってみたい。


・でもテストではどう出すのかな?と思ったけど、授業でやったらテストに出さなくちゃいけない、なんて固定概念をいつの間にか持っていた自分に気づいた。



 教科書本文を終わらせるのでいっぱいいっぱいになっている私ですが、授業プランを見直して、生徒が「読む」活動をなんとかいれてみようと思います。答えがはっきり見えないものに対するAmbiguity Tolerance を育てることも、素早い情報の読み取りと同時に必要だと思います。さて、もがいた先には光が見えるでしょうか?