San Francisco Days 1

 最近になってよくSan Francisco State Universityで勉強していた頃のことを思い出します。以前はあえて思い出さないようにしていたこともあります。というのも、日本に戻ってきてアメリカでの生活とのギャップにちょっと困っていて、その頃の写真を見ると戻りたい気持ちになるからでした。あれから8年経ってようやく懐かしく思い出すことができるようになりました。ということで、唐突ですが備忘録として、あの頃のことを書いておこうと思います。



 8年前の今頃は授業が始まって約1ヶ月が経ったところでした。8月に渡米し、前任校で一緒だったALTの自宅に泊めてもらいながら、アパート探しを始めました。とはいえ、大学の回りにはアパート的なものはほとんどなく、予算の関係で一軒家の1部屋を借りてその他の部分をシェアするタイプのみを探しました。渡米するまで全く知らなかったのですが、San Franciscoは家賃が全米一高い場所だったのです。元々狭い地域なのにアメリカ人にとって人気がある都市のため多くの人が集まってきます。そのため住む場所は限られているし、家賃をどんどん上げても借りたい人がいくらでもいる状況でした。今はとんでもなく高騰しているらしいので、あの時思い切って行って良かったなぁと思っています。それでも、一ヶ月9万円という、それまでの人生で最も高い部屋を借りることになったのですが・・・。



 その部屋というのは、In-Lawと呼ばれる1階部分のガレージを改造して部屋にした場所でした。当然窓もなく日光が入らないので、ものすごく寒い部屋でした。そんな部屋に決めた理由はただ1つ、専用のキッチンとバスルームがついていたことです。普通のシェアルームを散々見て回りましたが、やっぱりキッチンとバスルームをシェアすることになると暮らしにくいだろうなぁと感じていました。絶えず自分の権利やテリトリーを主張していなければならないように思いました。なので、窓がなくても独立した部屋になっていることが、何ものにも代えがたいものでした。結果として、家賃もあとから聞くと実は安めでしたし、勉強が大変で日光を楽しむ暇もほとんど無かったので、この部屋に出会えてよかったです。


 この部屋に決まったのが大学でのオリエンテーションが始まる2日前で、それまで全然いい部屋に巡り会わなかったので、最後の方は本当に焦りました。日本と違って不動産屋さんが情報を一括して持っているのではないので、1軒1軒アポイントの電話をして現地を訪れて直接交渉して、という作業を毎日繰り返していました。この作業でだいぶ英語力が上がったので、大学の授業への良い練習になりましたが、ほんと、間に合ってよかった!