小学校英語の授業を見に行きました。

 全校生徒29人というとても小さな学校で職員室も驚きの狭さだった。校舎の後ろに後付けされたプレハブに校長室があり、とても気さくな校長先生がむかえてくれた。今年で閉校になるので、いろいろと荷物が置いてある。忙しいところ申し訳ない。

 早速5年生のクラス総勢6名の教室へ向かった。生徒がALTの先生を自分たちでむかえに行って、この授業は始まるそうだ。イギリス人の先生は表情も豊かで生徒と仲が良さそうだった。(あとから聞いたら、前の先生では少し授業が停滞していたらしい。)

 まず生徒たちとの天気の話からスタート。すぐに先週の授業「時計を英語で読む」の復習。この1年間で英語ノートを使って勉強をしてきたとのことで、数字もかなりすらすらと口から出ていて驚いた。8:05といった少し工夫がいる時間は言えなかったようだが、ほとんどの生徒が少し間違えながらもしっかり数字を復習できていた。

 次にnew vocabularyの導入。get up, eat breakfast, go to school, eat lunch, go home, play 〜, watch 〜のすべてをすごいスピードで紹介していく。もう少し練習させてからでもいいのでは?というタイミングでじゃんけんゲーム。どうもゲームをやりながら覚えさせていこうということのようだ。6人という少人数なので、誰かが英語を思い出せずに止まってしまってもその場でミニレッスン再開となる。そこでは担任の先生も一緒に教えるので、実質3名に対し先生1人というすごい環境だった。

 あとで聞くと、このスピードはだれてしまわないようにあえてそうしているとのことだった。最初は???という顔をしているが活動を通して飲み込んでいくから大丈夫だそうだ。うーん、私の授業とは随分違うなぁ。高校生を教えていると、間違えたくないばかりに積極的に活動しない生徒がいるため、活動に入る前の練習は入念に行う必要がある。時にはこれくらい無理にやってみてもいいのかな?

 ゲームを2種類行ったところで終了。あっという間の45分間だった。生徒は2分程度で振り返りシートを書いて提出。内容は「楽しくゲームができましたか。大きな声で挨拶ができましたか?今日の授業の感想は?」といったもの。とにかく英語学習に対して前向きに取り組んでいるかが重要なようだ。最後に見学者の私から挨拶をした。生徒の一人から質問が出た。「どうやったら覚えられますか?」もしかしたら、授業は週1回で宿題も無いので、前にやったことを覚えていられないと心配しているようだ。ALTの先生も定着していないからやりづらい、と言っていた。

 ざっと振り返ってみたが、とにかく担任の先生のご苦労がしのばれた。教材を用意する必要はないようだったが、授業内での自分の役割をほぼ1年経った今でも模索されているようだった。授業でどう生徒と関わるべきか、メインではなくサブとして動くことにも慣れていかなければならない。研修も不十分だと感じている状態で生徒の前に立つことの不安はいかばかりかと思う。もうスタートしてしまったが、ぜひ頑張っていただきたいものである。最後にひとつだけ。小学校から英語をスタートさせるメリットとして真っ先に思いつく「発音」に関して、この授業ではほとんどスルーだった。せっかく耳で聞こえたものをそのまま声に出せる柔軟さがまだあるのに、ALTも担任の先生も、発音指導より表現の紹介と練習の方を優先させているようだった。できればそこを重点的に扱ってもらいたいと感じた。