研修

 この夏、いわゆる悉皆研修と民間団体が実施している研修の2つを、奇しくも2日間連続で受けました。どちらも朝から夕方まで行われるものだったので連続で受けたのは大変でしたが、それよりも連続だったことでその2つの違いがより鮮明になり、それからずっとモヤモヤしています。


 一番腑に落ちないなぁと思っていることは、英語教員向けの研修っていまだにNative Speakers of Englishにプログラムを作ってもらうべきものなのだろうか、ということです。というのも、もう長いこと日本人は学校教育の中で英語を学んでいますし、日本人が英語を教えている歴史や積み重ねも相当なものがあると思うんです。ですから、そういったものを検証したり体系化したりすることで、日本人による日本人のための英語教授法がある程度見えてくるんじゃないかと感じているのですが、実際は民間のセミナーにおいて個人レベルでの試行錯誤の成果を個人レベルで学んでいくか、もしくはNSEが作ったものを受講者のレベルや現状に関係なく全員で学ぶかという2種類でした。


 日本全国に素晴らしい取り組みをしている先生方がたくさんいます。その成果が研究紀要に載せられたり、DVDになって全国に配布されたり、いろいろな方法がとられながらも結局いつしか埋もれていっているのは大変もったいない話ですし、そうやって消えていってしまうことで、これまでのものを一歩進めた改善ができないことも考えられます。つまり、同じような取り組みが実は10数年前に誰かがすでに提唱しているものだったなんてこともあるかもしれません。


 もちろん、これまでそういった試みがされているのに私のような1教師の段階には届いていないだけという可能性もありますし、そもそもそんなこと不可能だという考えもあるかもしれません。でも少なくとも今回の悉皆研修の内容は、日本の現場で実際に生徒に関わっていらっしゃる先生に作っていただくことも可能だったんじゃないかと思いました。日本人のための英語教育を自前で作るといった動きが今後あるといいなと思った2日間でした。